口の中をぎゅっと噛んで、血が滲むの、
もうすぐ日が暮れる
「赤色と橙色どっちが好きなんだっけ?」
見たくても見れない
覗きたくても覗けない
全部がなくなっちゃう
ねえ、いま何考えてるの
奥の歯だけが痛むの
そんなこと知りたくなかったの
あの季節のあの味が忘れられなくて
二十回分の季節
ひとつのあかりに照らされる
気持ちよくて苦しくて恥ずかしいきみだけがすき
どうにかなってしまいたいの
ねえ
わたしの中の、汚くて、捨てようにも
捨てられないものばっかり愛してほしい
音がする体温に
ずっと触れていたい