23/04/11

14さいの秋 とんでもなく高いあの崖の上で わたし この世界のすべてを知ってしまって

22さいの春 高いところで 足がすくむようになったはずが 泣きながら ベランダに出ると 身体が空気みたいに軽い 少しの風 吹いただけ 飛んでしまいたくなる おもくて くろい 羽 が生えているようなんです

 

例えば、チョコレートが溶けて どろどろ になってしまったら 元の型がないと元の形には戻れない ように そして、わたしたちに型はなかった

 

あのひとを忘れるということは あのひとのくびを絞めて ころしてしまう感覚だ

 

きみの誕生日を迎えるまえに

ぼくはどうしても消えてしまいたかった

どこにでも行ってしまう靴をはいたきみが

どんどん遠くにいってしまうのが

どうしようもなく、こわくて、

わたしの手をずっと握ってくれたのに って

裏切られたみたいな 気持ちになってしまうようで

 

かなしくて

 

ずっと前

 

丈夫な大きいロープが わたしを呼んでいた

 

きっとぼくときみは 天使になれるでしょう

 

天使に

なれるでしょう