220923

ぬるい汗に怯えてブラウザバック
手がまだふるえている
これをきみへの最後のラブレターにするから、見ていて

ぼくたちにはまだ早い青い、冬
たしかにぼくたちは愛し合っていた
誰にも触れられるものかと、もがいていた

わたしの顎にぐいぐいとささるピアスの痛みはそのあとお互いの痛みへと変わったのだった。
わたしたちが一度終わりを迎え、またはじまった頃。きみといままでのようなセックスをした。きみの長い髪の毛を持った数時間後、別の長い髪の毛を持ちながらわたしはまた別の快楽におぼれていた。みっともないあの冷気がものすごく痛かった。
それでもわたしは、わたしは、どうしようもなくきみのことだけを愛して、苦しんで、腕を切るだとか、薬を飲むだとかをして、きみの注意をひいて、もっと暗い所にふたりで落ちていたかった。本当にふたりで落ちていたかった。もうとっくにわたしたちは深く暗い所にいたのに。

「しおりちゃんのせい」でいたかった。
「しおりちゃんのせい」で痛かった。

救い出すように別の闇がわたしの手を引っ張った。きみもわたしの手を離さなかった。

この世界にはさまざまな愛があることを知った。わたしは、どうしようもなくきみのことだけを愛していた。

冬が春になる前に、きみが遠くに行ってしまった。きみのうまれた春が夏になり、夏はやがてわたしの生まれた秋になった。また、冬が来る。
マンション前、雪に埋もれることのない頭一つ出た雑草を覚えてる?いつもそれを触るわたしに見向きもしなかった飲み帰りのきみが、・・


九月、「そこに置かせてくれてありがとう」と花束が届いた。
青い、綺麗な花たちの束ねられた、愛だった。

九月、わたしはひとつ歳を重ねた。
わたしはラブレットを外した。

また、冬が来る。
わたしはどうしても、ほんとうに、きみのことだけを愛していた。